もの忘れ

加齢による衰えか、認知症かの見極めが重要です。

もの忘れの原因

「もの忘れ=認知症」というイメージがあり、当院を受診される患者さんも、ご本人よりご家族が心配してご来院されるケースがほとんどです。
また、福祉施設からのご紹介も多々あります。

もの忘れには、加齢に伴う衰えで心配のないものと認知症の初期段階で早期に対策をとった方がいいものとの2つのパターンがあります。

認知症は、がんや糖尿病などの成人病と同じように、早期発見・早期治療がとても重要です。
というのは、認知症はその一歩手前の状態である軽度認知障害の段階で発見できれば、治療や指導によって、認知症になることを防いだり、遅らせたりできる可能性があるからです。

もの忘れの症状

当院の治療方法

当院の治療方法

当院では、もの忘れが加齢によるものか、認知症によるものかどうかを診断し、適切な治療を行います。

診察・問診の後、必要に応じて認知症検査やMRI検査、血液検査を行い、患者さんに合った内服薬治療や生活指導を行っていきます。

介護状態にある患者さんの場合、もの忘れを改善するために処方する内服薬によって「食欲不振」「ふらつき」「興奮状態」など、薬による副作用のほうが強く出て、介護者にとってかえって扱いにくい状態になることがあります。
当院では、常にご家族や介護者の方たちと相談しながら、薬の処方や治療方針を決めていきます。

当院の認知症に対する考え方は、徘徊・暴力・不潔行為など周囲の方々が困ってしまう場合以外は薬は最低限に抑え、認知症と上手に付き合って暮らしていただこうというものです。

たとえば、もの忘れがひどかったら、何回も同じことを話してあげればいいのです。
認知症に根本的な治療はないので、患者さんと周囲の方が明るく元気に過ごせることを第一にサポートしたいと思っています。

よくある質問

Q

認知症の検査とはどのようなものでしょうか。

A

当院で採用しているのは、長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)で、現在、認知症の診断に広く使われている検査です。
医師が効率的かつ公平に認知機能の低下を診断するために開発されている検査で、30点満点で20点以下だった場合、認知症の可能性が高いと評価されます。

Q

加齢によるもの忘れと認知症のもの忘れを見分けるヒントはありますか?

A

食事の内容など体験したことの一部を忘れ、忘れっぽいという自覚がある場合は、加齢が原因の場合が多いといえます。
しかし、食事したこと自体を忘れてしまったり、身の回りにあるものの簡単な単語すら思い出せず、妄想や自発性低下などがあり、さらにそれらを自覚していなかったりするような場合は認知症が疑われます。

Q

認知症の悪化を防ぐことはできますか?

A

活動的な方でも認知症になる方はいらっしゃいますので一概には言えませんが、認知症は脳に刺激を与えることが大切です。
家に閉じこもりがちで他人との会話・交流がない方は、デイサービスなどで人と交わることがよい刺激になる場合もあります。

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