睡眠薬を上手に活用して、脳の休息を取りましょう。
不眠の原因
睡眠は脳が休息するための大切な時間であり、睡眠不足になると生活習慣病や精神疾患も起こりやすくなるため、心身の健康を保つために欠かせないものです。
本来、人間は太陽の光の刺激を受けることで活動モードとなる交感神経が優位になり、夜暗くなると、おやすみモードとなる副交感神経が優位になって休息を取るようにできています。
しかし、夜になっても明るく、さらにパソコンやスマートフォンの普及で常に目に明るい光を浴びている現代では、睡眠の自然なサイクルも乱れがち。
日本では現在、一般成人の約5人に1人が不眠症だといわれています。
不眠には多くの種類があり、その原因も「ストレス」「運動不足」「日光浴不足」「加齢」「認知症」「精神疾患」「カフェインの摂りすぎ」など、さまざまなものがあります。
不眠の症状
- 寝付きが悪い
- 夜中に目が覚めて眠れない
- 朝、予定よりも早く起きてしまい眠れない
- 朝、起きられない
- 気付くと昼夜逆転してしまう
当院での治療方法
まず、患者さんのお話を丁寧に伺います。お話を聞いているうちに、不眠が主訴ではなく、ほかの心身の不調を抱えていらっしゃることに気付くことも多々あり、その問題解決のための道筋も合わせて探ります。
いずれにしても「眠る」ことは人体にとってとても大切ですので、不眠の特徴と、そのときの患者さんの状態に応じた適切な内服薬の処方を行います。
よくある質問
- Q
眠るための薬を飲み続けると、やめられなくなったりしませんか?
- A
効きが多少悪くなることはありますが、睡眠薬中毒というのはありませんのでご安心ください。
特に医師による処方であれば、量も種類も適切であるはずなので、そこはあまり心配する必要はないでしょう。
当院では、眠れなくて悶々としたり、睡眠不足で日中の活動に支障が出たりするくらいなら、薬を飲んで睡眠を確保したほうがよいと考え、患者さんが毎日を元気に送れるように、必要最低限の薬を処方いたします。
- Q
睡眠薬の種類を教えてください。
- A
睡眠薬はこれまで、脳の興奮を抑える神経伝達物質(GABA)の働きを促す薬が主流でしたが、近年、睡眠と覚醒のリズムを調節するホルモン(メラトニン)に作用して眠りをもたらす薬、覚醒に関わる脳内物質(オレキシン)の働きを抑えることによって睡眠に導く薬などさまざまな種類から、より適切な薬を選択できるようになりました。
- Q
不眠と生活習慣病には関連があるのですか?
- A
慢性的な不眠や睡眠不足は、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病になるリスクを高めることがわかっています。
不眠と生活習慣病は相互に関係し、影響を与え合っていることが多くの研究によって報告されています。
適切な治療により不眠を改善することは、生活習慣病の予防や治療においても、とても大切です。